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トランプ氏は貧乏人の味方?アメリカ大統領選で、トランプ氏が勝った影響・原因は…。

さて、本日、大統領選の結果、前日優勢とされていたクリントン氏を打ち破り、ドナルド・トランプ氏が大統領になりましたね。

メキシコとの国境に壁を作ると発言したり、差別的な発言を繰り返したりで何かと物議を醸していたトランプ氏ですが、彼が大統領になったことによって、どんな影響があるのでしょうか?

 

今回はトランプ氏が大統領になったことに関する所感を書こうと思うのですが、自分はアメリカ情勢にそこまで詳しくなく、また、法学部出身ですが政治学はまったくとっていなかったので、感じることを感じるままに書いています

なので、情報収集目的の人には役に立たないと思います。また、誤りも含むかもしれませんが悪しからず。

 

トランプ大統領は貧乏人の味方?

今回の選挙で、トランプ氏の支持層は、白人の、中流階級より下、学歴の低い人が多い労働者階級の人々だと言われています。

では、どうして彼らがトランプ氏を支持するのか。トランプが雇用を増やすと期待しているから?トランプが低所得者向けのセーフティネットを充実してくれると期待しているから?トランプが合衆国の子供の学習機会を確保してくれると期待しているから?

おそらく、どれも違うでしょうね。

ここで、注目すべきは単なる労働者階級ではなく、白人の労働者階級だという点です。

アメリカ合衆国は、もともとイギリスからの移民が独立をし、他国から領土を購入しつつ拡大していった国ですね。もともと、白人国家からの移民が建国した国で、WASPが保守エリート層とされていました。

WASPとは、ホワイト(W)・アングロサクソン(AS)・プロテスタントのことで、白人で、アングロサクソンという人種で、キリスト教プロテスタントカトリックと並んで数えられる大きな宗派のこと)である人々のことを指す造語でした。

長々と書きましたが、つまり白人はアメリカで支配者層でした。

 

トランプ氏を支持する白人の労働者階級というのは、不正確ですが大雑把にいえば、元々の自意識としては「上流階級にいたはずなのに、なんかアジア人とか黒人が自分たちのホームである合衆国で余計なことをしだしてから、自分たちが隅に追いやられている」という不満を潜在的に持っている人なのではないか、と思います。

 

グローバル化する中で、変わっていってしまうアメリカに、取り残される自身をみたときに、トランプ氏の力強いとも言える演説は、「何かよくわからないけれど彼なら合衆国をよくしてくれるかもしれない」という希望を与えたのではないでしょうか。

 

今までマジョリティだったのが、雇用を奪われ、文化が変質し、マイノリティになり居場所がなくなるかのように見えた彼らに、「合衆国は君たちの居場所だ」とメッセージを投げかけていたのがトランプ氏だったのだと思います。

 

満州事変との共通点

この、何かが変わる気がするという高揚感からの支持って、満州事変のときの日本に似ている気がしませんか?

当時、日本は、日本経済は傾いていました。もともと、当時の日本製品は競争力はあまりなかったものの、イギリスやフランスなど列強諸国が第一次世界大戦で疲弊し、生産力が落ちていたことから、戦禍をほとんど受けなかった日本が世界でシェアを獲得していました。しかし、満州事変の前あたりになると、列強諸国の復興も進み、生産力を増していき、もともと製品で優れていたわけではなかった日本は、次第に競争に負けていき、経済にも影を落とすようになりました。

もちろん、関東大震災など他の要因もあるため、一概には語ることはできませんが、とにもかくにも、当時の日本国民は鬱憤たる思いで、何かのきっかけで事態がよくなることを願っていました。

そこで起こったのが満州事変で、日本国民は「何かよくわからないけど、これがきっかけでよくなるような気がする」と期待をしました。

 

ここまでみて、今のアメリカと少し状況が似てる気がしませんか?

リーマンショックから続く不景気、移民問題、雇用の消失、テロへの恐怖。

まさに、鬱憤たる思いの一部アメリカ国民の前に現れたトランプ氏は、希望の糸口にみえたことでしょう。

 

で、結局のところ日本に影響はあるの?

なんらかの形で影響があることはたしかでしょうけど、まだ今の時点ではなんとも言えないのではないかと思いながら見ています。

少し気になる要素としては、先日のイギリスのEU離脱が挙げられます。グローバル化し、一つにまとまろうとしているかのように見えた世界でしたが、主要国家の1つがEUから離脱し、合衆国が孤立主義を歩もうとしているように、徐々に利益確保のために離れていこうとしているようにみえます。

お金のある国が、貧乏な国の問題を自国にもちこまれて損をしたくないから、貧乏な国を切り捨てていく、という図にもみえますね。

 

日本としては、このような流れの中で、アジアにおける立ち位置をどのようなものとするかの決断をせまられることになるでしょう。

EUのような形で共同体をつくるとすれば、いずれは富の流出が起こるでしょうし、かといって孤立してやっていくには規模が小さすぎるのではないかと思います。

 

結局のところ、日本への影響としては、トランプ氏が日本との関係を重視するか、中国等を見ながらある程度手を抜くかというところは大きいですが、いままでの発言はパフォーマンスとしての要素が大きかっただけに、なんとも判断はできないでしょう。

日本と付き合う必要性を、上手にアピールできるかどうかにかかっているのだと思います。

 

ただ、短期的な影響としては、少しお財布事情は厳しくなるかもしれませんね。

 

おしまい